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遠州浜松「里の家」里山の暮らし

浜松市北区都田町の里山に魅せられて、森と田んぼと畑のある里山、築120年の古民家で暮らし、みやこだ自然学校をしています。

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ふたつの絵画展

最近、ふたつの絵画展を見に行った。アンドリュー・ワイエスは現在88歳の高齢になった今も筆を握っているらしい。アメリカンリアリズムを代表する画家として有名だが、本物を見るのは初めてだった。久しぶりに心に残る水彩画を見た気がした。リアリズム、確かにそうなのだが、ワイエス自身はそう語っていない。「多くの人々は、私がリアリズムをよみがえらせたと言い、イーキンズやウィンスロー・ホーマーと私を関連づけようとします。私の考えでは、それは間違っている。正直私は自分を抽象画家だと思っているのです。」と言っている。鉛筆などの描画さえも、抽象的だという。写真のように写実的に模写する“リアリズム”とは違う。なるほど。ひとつの対象に対して、短時間に表現することができる水彩で何度も何度も描く作業は、本質を掴み取ろうとするワイエスの姿勢なのだ。本質は抽象的でとらえどころがない。それを見事に表現しているからこそ、本質を描くリアリズムなのだ。灯油ランプのスケッチがあった。僕も灯油ランプを何度か描いたことがある。灯油ランプには空気を煙突効果で灯をより明るく輝かせる工夫があるからだろうか、僕は灯油ランプというモチーフが好きだ。ワイエスはランプにどんな意味を見い出したのだろう。

一方、ブラティスラヴァ世界絵本原画展はワイエスとは正反対の現代アートと言ってもいい自由で個性的な作品が紹介されていた。イランや韓国、チェコなど普段、見ることのないベテラン作家の作品。スロヴァキアの首都ブラティスラヴァでおこなわれ、世界で最大規模の絵本原画展として知られている。ボローニャ国際絵本原画展は知っていたが、こちらは知らなかった。各国の文化や価値観などが作品の背景に流れていて、知らず知らずのうちに身に染みているものが作品世界の重要な要素になっていることを改めて感じた。翻訳版はなかったが、作家の国で発刊されているものを手にとってページをめくることができる。僕もいくつか手に取ってじっくりと鑑賞した。どの国の作品でも、文字の扱いをデザイン化していた。広告の仕事をやっていていつも思うのは、この文字そのもののデザインだ。ビジュアルの一部として、メッセージを伝える文字のデザインが日本では弱いように気がしている。手書きのスケッチや文字を自然学校のチラシに取り入れたところ、かなり好評だった理由もこんなところにあるのかも知れない。

アンドリュー・ワイエス水彩・素描展(常葉美術館11/19(日)まで)
ブラティスラヴァ世界絵本原画展(静岡アートギャラリー11/26(日)まで)
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[ 2006/10/31 21:34 ] 趣味と民芸 | TB(0) | CM(0)

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