遠州浜松「里の家」里山の暮らし

浜松市北区都田町の里山に魅せられて、森と田んぼと畑のある里山、築120年の古民家で暮らし、みやこだ自然学校をしています。

奈良女子大学

奈良、明日香への旅は延べで言えば10回は超えるだろう。最初の旅らしい旅は中学を卒業した春休み。親友と二人で京都へ一万円で行った。ちょっとしたハプニングがさその時あったのだが、その話はまた別の機会に。

奈良女子大学を訪れたのは、大学の時。全国建築系学生ゼミナールという学生組織があって、その大会が京都で開催され、ついでに奈良女子大学の近代建築を見学した。近代建築への興味は、何がきっかけだったのかは覚えていないが、一年生の時に明治村へ建築系サークルの仲間と見学へ行ったことは覚えている。

和洋折衷の様式なのだが、今でも魅力を感じる。社寺建築などで腕を振るった棟梁と近代日本を構築しようとした建築家が造り上げた木造建築には、日本のウエットな風土と欧米のドライな精神が調和して独特の感性と知性を醸し出している。

奈良女子大学本館(奈良女子高等師範学校)もまた、そうした醸成した感がある。竣工は1909年(明治42年)、1994年に国・重要文化財に指定されている。

奈良女子大学の近代建築

奈良女子大学の近代建築

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[ 2007/10/09 00:02 ] 趣味と民芸 | TB(0) | CM(0)

吉野和紙 1987年2月

古い写真のスキャンデータをたまたま見つけて、ブログに連載することにしました。

奈良県吉野町は言わずと知れた桜の名所である。4月初旬に下千本から咲き始め、中、上、奥千本へと咲き上るという山桜は壮観な景色だろう。しかし、僕が訪れたのはまだ寒い日の続く2月のことだ。それは、和紙をつくる冬の時期に旅を計画したことにほかならない。

一時、奈良県下各地で和紙作りが行われていたものの、伝統の技が残るのはここだけらしい。粘り強く、乾燥しても反らない吉野和紙は、漆漉しから書道紙、表装紙、屏風や障子紙にいたるまで、実に用途が広い。

明治初期、1873年から75年にかけて、日本の産業状態を現地調査したドイツの地理学者、J.J.ラインは、その著書『日本工芸史』の中で、吉野紙について「この紙はとても薄い。しかも、その強さはすばらしく、二枚または三枚を重ねて、ねばねばした漆を包んでねじり、しぼり出しても破れないだけでなく、それをのばして乾かし何回も使うことができる」と吉野和紙を高く評価している。イギリスの陶芸家、バーナード・リーチもまた、「世界でもっとも薄く均質でしかもねばり強い」と賛美している。

和紙づくりに欠かせないのが清流である。吉野の紙づくりの里には、遠く大台ケ原に源を発した吉野川が流れ、冬になると文字通り手が切れるような冷たさになる。これが漂白効果と強度を生み出している。

吉野和紙は日本ではじめて和紙がつくられた地という説があり、その歴史はとても古い。日本独特の「流し漉き」の技法により薄さを極端なまでに追求した吉野和紙。いつまでも、その美しい日本の紙を伝えて欲しいと願う。

原料となるコウゾを水にさらし、表皮の残りを取り除く作業。これをしないときれいな和紙はできない。和紙づくりの中でもっとも辛く根気のいる作業だ。
吉野和紙1


簀の子で流し漉きを行う作業。簡単そうに見えるものの熟練の技がなければ到達することはできない。和紙を漉く簀の子の職人もほとんどいない現状だという。
吉野和紙2


吉野の町から山里を眺める。春を待ちわびる桜の古木が静けさの中に佇んでいた。吉野は吉野杉でも全国に名の知られた林業のまちでもある。
吉野和紙3

[ 2007/10/02 20:37 ] 趣味と民芸 | TB(0) | CM(0)

陶芸の本焼き

午前中からやろうとしていたけど、結局、窯に火を入れたのは午後2時半。滝沢から帰ってきたのが、今。1日、まるまる空いている日がないので、なかなか焼けなかったけど、やっと終わりました。ふぅ・・

窯の中が6oo度あたりから赤に、そしてオレンジ、そして1200度を超えたあたりから、真っ白に。いつ見ても美しい光景で、一種、聖なる境界を感じます。何かが誕生する時って、たぶん、光に包まれるような気がする。子どもが生まれた時も、輝いたように見えた。
[ 2007/03/23 03:42 ] 趣味と民芸 | TB(0) | CM(0)

ふたつの絵画展

最近、ふたつの絵画展を見に行った。アンドリュー・ワイエスは現在88歳の高齢になった今も筆を握っているらしい。アメリカンリアリズムを代表する画家として有名だが、本物を見るのは初めてだった。久しぶりに心に残る水彩画を見た気がした。リアリズム、確かにそうなのだが、ワイエス自身はそう語っていない。「多くの人々は、私がリアリズムをよみがえらせたと言い、イーキンズやウィンスロー・ホーマーと私を関連づけようとします。私の考えでは、それは間違っている。正直私は自分を抽象画家だと思っているのです。」と言っている。鉛筆などの描画さえも、抽象的だという。写真のように写実的に模写する“リアリズム”とは違う。なるほど。ひとつの対象に対して、短時間に表現することができる水彩で何度も何度も描く作業は、本質を掴み取ろうとするワイエスの姿勢なのだ。本質は抽象的でとらえどころがない。それを見事に表現しているからこそ、本質を描くリアリズムなのだ。灯油ランプのスケッチがあった。僕も灯油ランプを何度か描いたことがある。灯油ランプには空気を煙突効果で灯をより明るく輝かせる工夫があるからだろうか、僕は灯油ランプというモチーフが好きだ。ワイエスはランプにどんな意味を見い出したのだろう。

一方、ブラティスラヴァ世界絵本原画展はワイエスとは正反対の現代アートと言ってもいい自由で個性的な作品が紹介されていた。イランや韓国、チェコなど普段、見ることのないベテラン作家の作品。スロヴァキアの首都ブラティスラヴァでおこなわれ、世界で最大規模の絵本原画展として知られている。ボローニャ国際絵本原画展は知っていたが、こちらは知らなかった。各国の文化や価値観などが作品の背景に流れていて、知らず知らずのうちに身に染みているものが作品世界の重要な要素になっていることを改めて感じた。翻訳版はなかったが、作家の国で発刊されているものを手にとってページをめくることができる。僕もいくつか手に取ってじっくりと鑑賞した。どの国の作品でも、文字の扱いをデザイン化していた。広告の仕事をやっていていつも思うのは、この文字そのもののデザインだ。ビジュアルの一部として、メッセージを伝える文字のデザインが日本では弱いように気がしている。手書きのスケッチや文字を自然学校のチラシに取り入れたところ、かなり好評だった理由もこんなところにあるのかも知れない。

アンドリュー・ワイエス水彩・素描展(常葉美術館11/19(日)まで)
ブラティスラヴァ世界絵本原画展(静岡アートギャラリー11/26(日)まで)
[ 2006/10/31 21:34 ] 趣味と民芸 | TB(0) | CM(0)

月が 夜の海に道をつくる時

 という題名の小説を久しぶりに書いた。たぶん、四年ぶり。エッセイ程度のものはこれまで、気が向けば書いていたけれど、原稿用紙17枚となるとやはり、構成が必要になってくる。これで賞がとれるとは思わないけれど、入選ぐらいにはなってほしいなぁ・・。

 東京で文学教室に働きながら通った後、名古屋に一時帰り、体制を整えて浜松へ来た。有機農業を学ぶためだったが、主人はどうもビジネスライクな感じがして、昼の一時間の休みも渋い顔をしていた。それに条件が違った。社会保険もない時給いくらのバイトではなく、正規のはずだったのに。

 いつかは自分の稼ぎは自分でと思っていたので、会計を勉強するために会計事務所へ。確定申告はここで覚えた。その後、広告の仕事をする時も、企業会計の知識は役立った。計算に強いわけではないけれど、抵抗感はなくなった。

 ずっと浜松にと思っていたけれど、どうも異常気象のせいかここも段々と暑くなってきているような気がする。毎年、雑草の種類が遷移してる。もちろん、雨が多ければ酸性土壌になりやすいので、酸性度の強い土でも育つ雑草が増える。
 遠州では年中、作物が育つけれど手間もかかる。寒い地域に行けば、雑草は少なくなる。遠州のここなら、民家を貸してくれるだろうと思っていたけれど、町に比較的近いので空家はなかった。

 いずれここを離れるかも知れない。その時、何をして生活の糧とするか・・。今の広告の仕事、イベントやコンサートのプロデュース、まちづくりやひとづくりのワークショップのファシリテーター、陶芸教室、森の素材を使ったクラフト、小説や童話、作曲、写真。自然学校や農家民宿。農家の手伝いのパート。それほど山奥でなければ、何か仕事はあると思う。庭師や測量、家屋調査の経験もあるし。

 最近、移住を意識するようになって、仕事を増やしてる。小説もそのひとつ。有名でなくても、賞がとれればいい。賞金稼ぎみたいだけど、文章はどこでも書ける。情報はネットでかなり収集できるようになってきた。やれることは、やってみようと思うようになってきた。陶芸の作品も売ることを意識して作るようにして、間伐や枝うちした枝を使った木工クラフト、写真コンテスト、大学や専門学校の講師、自然観察などのプログラムやインタープリター。使える助成金もよく調べようと思う。

 ただ、もともとお金に興味がないので、どこまでやれるかが課題かな・・。友達いわく、「あなたはお金じゃなくて、やりたいことをやりたい人」なんだそうで・・。当っているだけに何も言えず。それじゃ、やりたいことを仕事にしていく努力をしないとね。やっと?そういう考え方をするようになりました。
[ 2006/09/06 02:10 ] 趣味と民芸 | TB(0) | CM(0)